-EAドリーム-30万を約60倍にしたある物語
第六話「CFDで覚醒」

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前回はこちら

「CFDなら勝てるのかな・・・」

俺はそんな淡い期待を胸に、CFDへと挑戦することにした。

CFDとは、株価指数・商品などの取引が出来るもので

例えば、NYダウ・原油・金等の銘柄が対象となる。

株とはまた違った値動きをするのも一つの特徴だ。

そして俺はCFDを調べていくうちに

あることを知った。

それは、ハイ・レバレッジを掛けられるということだ。

今までは信用取引を使って

資金の3倍までの取引が可能になったのだが

CFDではそれが100倍まで可能だった。

つまり、元手が30万あれば

最大で3,000万分の取引が可能になる。

今までとはまさに別次元だ。

「100倍はすごいな」

「これなら元手が少なくても取り返せるかもしれない」

「CFDをやってみよう」

俺はCFDの口座を開設した。

そして、どのような戦略を取れば良いのか。

これはCFDで勝っていると書いていた

著名なトレーダーの記事の通りにやってみようと思った。

そのトレーダーによると

当時はリーマンショックの真っただ中。

10年に1度の大相場で、市場の値動きはものすごい荒かった。

そのような中、ダウには一つの単純な値動きの法則があるというのだ。

それは、

「NYの取引時間が終わる約30分前から、ダウの値動きは一方向に動く」

というものだった。

つまり、NYの取引時間が終わる30分前=日本時間で午前4時30分くらいから

ダウは上昇または下落していくのだ。

だから、

午前4時30分くらいから、上昇したら買い、下落したら売り

という戦略を張れば

大きく儲けることが出来る、というのだ。

実際にチャートを見たら、まさにその通りだった。

「リーマン・ショックで市場が混乱しているから、このような値動きになっている」

そのトレーダーはそう書いていた。

チャンスだ。

俺は、朝4時30分から動いた方に張る戦略を元に

NYダウに挑戦することにした。

そして、俺はCFDの口座に15万を入金した。

もう、手元には15万程度しかなかった。

しかし、15万もあれば

1,500万分の取引が出来るし

当時のダウは

一日の値幅率が10%以上あった。

つまり、15万あれば1,500万分張れるし

それを1日で1,650万にできる可能性がある。

つまり、上手くいけば利益150万だ。

15万で十分だった。

そして、CFDで取引する毎日が始まった。

朝、4時くらいから起きて、相場を監視する。

そして、その著名なトレーダーが

作ったサイトに

チャットルームが置かれていた。

俺は、そこで参加者と会話しながらやっていた。

といっても、来る人は俺含めて3~4人だけだったが。

(たまにその著名なトレーダーもきていた)

そして、実際4時30分くらいから、値動きが激しくなる。

ダウが上に抜けた。

そこで買う。

・・・

・・・

・・・!

おお、どんどん高値更新していく!

俺はあっさりと勝ちを拾い、

15万は17万5千程になった。

すごく分かりやすい値動きだった。

今まで、株をやっていたときは

値動きなどさっぱり分からなかったのに。

初心者ほど儲けやすい相場というのは、

たまにあったりするものだが

このときのダウはまさにそれであった。

1日で15万が17万5千になった。

資産約18%増だ。

さらにレバレッジを掛ければ、もっと資産を増やすことが出来る。

俺はそんな期待を胸に

ダウの朝4時30分くらいから

動いた方に張る戦略を取り続けた。

すると、資産は順調に増えた。

およそ7日間で資産は25万程になった。

途中、2日間はダウは一方向に動いてくれず、資産は増えなかったが

それ以外は一方向に動いてくれたのだ。

そして、俺は相場を張りながら、新しい戦略を思いついた。

それは、逆指値ブレイク・アウト戦略とピラミッド戦略だ。

逆指値とは、

予め、一定価格まで価格が動いたら売買をする注文をしておくもので

○○円以上になったら買い

○○円以下になったら売り

という注文をしておくのだ。

これを、直近の最高値・最安値にそれぞれ置いておくのだ。

直近の最高値・最安値を更新すると、その後大きくその方向に

動く傾向があったからだ。

これをブレイク・アウト戦略という。

また、ピラミッド戦略というのもやり始めた。

これは、価格がエントリー方向に動いたら、さらにその方向に

買い増し・売り増しをしていくものだ。

つまり、ダウを25,000で買い

その後、25,100まで上昇したら

さらに買い増す、

というものだ。

このようにすることで、価格が一方向に動いていくと

資産は加速度的に増やすことが出来る。

俺は逆指値ブレイク・アウト戦略とピラミッド戦略を武器に

資産を大きく伸ばすことが出来た。

しかし、25万まで増えた翌日・翌々日と

ダウは一方向に動いてくれなくなった。

同じ値動きをしなくなってきたのだ。

徐々に相場が落ち着いてきてしまった。

「くそ、値動きが小さくなってきてしまったな・・」

俺は焦りを覚えつつも、他に打ち手もなく

25万になった3日後も朝4時から相場を見ていた。

そして、この日は少し違っていた。

相場の値動きは以前のように、また激しくなっていた。

「今日はチャンスかもしれない」

俺はそう思って、朝の4時半、直近の最高値・最安値に逆指値を置いた。

そして、ダウは激しく動き

俺の買い注文が刺さった。

「よし!いけ!」

ダウはものすごい速さで上昇していった。

俺はさらに買い増す。

ピラミッド戦略だ。

もうこのチャンスは今日で終わりかもしれない。

そう思ったら、自然と買い注文の量は増していた。

ダウはさらに上昇する。

俺の資産は加速度的に増えていく。

…35万

…50万

…68万

…84万

ピラミッド戦略が功を奉仕、

資産は2倍、3倍へと膨れ上がっていった。

心臓が高鳴る。

ダウの値動きは激しい。

いつ、急落してくるのか分からない。

…100万

「…!!」

俺の資産は100万を突破した。

たった10日前は15万しかなかったし

ほんの10分前は25万しかなかったのに。

よし、100万突破した!

急落される前に、逆指値で利益確定の注文を掛けておこう・・

そう思った瞬間だった。

ダウは急落を始めた。

張っていた金額が高いため

資産の減りも速かった。

…85万

…62万

やばい!早く逆指値を・・

俺は利益確定の逆指値注文を出そうとするが

値動きが激しすぎて価格がすぐに変わってしまう。

どこに注文を出すべきかすぐに判断出来なかった。

こういうときは、成行でやったほうが良いのだが

逆指値に拘ってしまった。

…51万

…38万

…29万

ちょっと、もういいここで!

俺は成行で決済注文を出した。

…23万

俺の資産は、わずか5分前には100万だったのが

23万になってしまった。

「ちくしょおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

俺は叫んだ。

チャットルームにも書き殴った。(当時はすみませんでした」

100万あれば、400万取り返すのもかなり楽になる。

しかし、23万になってしまったのだ。

なぜ、早く決済しなかったのか。

俺は悔しすぎて涙が出そうだった。

しかも、これが朝4時半戦略の終焉だった。

それ以降、ダウの値動きは落ち着きを取り戻し

朝4時半に大きく動くこともなくなってしまった。

俺は、またも取れなかった。

大勝を目の前にして

勝ちを逃してしまったのだ。

「くそ・・もう少しだったのに」

俺は戦略なきCFDからは撤退した。

「他にないかな・・」

そして俺はまた、勝てる方法を1日中探すようになった。

そして、俺は次なる1手を思いついた。

仕手株だ。

ある仕手株が、決算発表の翌日に

急騰する傾向がここ1年ほどあったのだ。

次の決算発表でも

また急騰するかもしれない。

俺はこれに掛けてみたかった。

しかし、元手は20万程しかない。

「くそ、かなり良い戦略だと思うが、流石に20万では厳しい」

「せいぜい10万程度の利益しか取れないだろう」

「何かないかな・・」

俺はぼんやりと考えていた。

そして、数日後、ある広告を見た時に閃いた。

それは、ローンの広告だった。

「ローンか・・・」

「・・・」

「・・・」

「学生でも金って借りられるのかな」

俺は学生ローンに手を出すことを思いついたのだ。

続く

第七話